湯本工場長

私は地元の高専を出て、電機メーカーに就職をして関東の工場で生産技術を担当しました。7年ほど勤めた後、Uターンをして福島の自動車の部品加工メーカーに転職し、こちらでも生産設備の設計などを担当していました。当社（旧キクモク社）へ入社したのは34歳のときです。キクモク社は製材会社として実積はありましたが、ちょうど集成材の製造を始めたばかりの頃で、そのために現在の工場がある用地を取得し設備等も一式導入して新しい事業を立ち上げていました。集成材の製造は、最初に木材を削るモルダー加工、指定の長さにジョイントさせるフィンガージョイント、集成材として圧縮するプレス、そして仕上げの最終工程がありますが、私はすべての部署を一通り経験し、生産管理、品質管理など現場全般をみる責任者になりました。

2021年の6月にキクモク社から恒栄・マツモトグループに事業が引き継がれ、新しい体制で生産がスタートしましたが、設備投資によりプレス機は2台増設されて6台になり、製品倉庫も増設されるなど環境はいちだんと良くなりました。今後も設備の入れ替えも予定しておりハード面は相当強化されるので、あとはスタッフを増員して体制を整えたいと思っています。基本的には一つの部署から始めてもらい、仕事を習得したら次の部署へ、といった感じで多能工化していくことが理想です。それによって管理職も育てていけるのですが、あくまでも本人の希望を優先します。今の係長や品質管理を任せているスタッフなども木材に関しては未経験からスタートしていますし、仕事自体は一から付きっきりで丁寧に指導していくので安心してご応募ください。

私自身が感じる木材加工の面白さは、一枚一枚の板が違うことです。原板を輸入する際にも、ある程度の材質は定めて仕入れるわけですが、一枚一枚厚みも、幅も、含水率も違うので、加工によって均一なものに仕上げていくことが面白いんですね。この仕事を始めて木の魅力を感じて、自宅は床、壁はもちろん木材をふんだんに用いた木の家を建てました。街を歩いていても住宅建築の現場などを通ると、どんなふうに木材が用いられているか気になって見てしまう。職業病かも知れませんけど（笑）。私たちも、住宅をはじめ木造建築が建つ限り、そこを担っている会社だという自負はあります。そんなことも感じられる仕事だと思います。